既存不適格物件とは?売却時の注意点と違法建築との違いも解説!
2023.09.15
その他お困り不動産
既存不適格物件


昔の建築基準法のもとで合法に建築された建物でも、現在の法律に照らし合わせると基準を満たしていない建物を既存不適格物件といいます。
既存不適格の不動産であっても、売却処分することは可能です。
そんな既存不適格物件について「違法建築との違い」や「メリット・デメリット」「売却時の注意点」をご紹介します。
【既存不適格物件】とは?違法建築との違い
「既存不適格物件」とは、建築当初は法基準に則っていても、その後の法改正により適合しなくなった物件のことです。
一方で「違法建築」は、建築当初から違法だった物件です。
既存不適格は違法ではないので、そのままにしていることが多いのですが、老朽化に伴って一定の増改築をするときには、新しい基準に沿った施工が求められます。
既存不適格には種類がありますので、代表的なものをいくつかご紹介します。
主な既存不適格の内容
- 旧耐震基準
- 建ぺい率、容積率オーバー
- 高さ制限の基準オーバー
- 道路の幅員が4m未満
- 消防設備の安全基準を満たしていない
旧耐震基準
「新耐震」「旧耐震」という言葉をよく耳にしますが、「新耐震基準」とは 1981年6月1日に導入された耐震基準です。導入日以降に建築確認を受けているかどうかで判断されます。
- 旧耐震基準・・・1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物
- 新耐震基準・・・1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物
旧耐震は震度5強程度の地震にも耐えられる基準とされ、新耐震は震度6~7程度の地震にも耐えられる基準となっています。
旧耐震基準で建てられた建物は、現在の耐震基準に則していないので既存不適格物件となります。
建ぺい率、容積率オーバー
用途地域の見直しなどが行われると建築当初よりも建ぺい率や容積率の制限が限が厳しくなるケースがあります。
建ぺい率や容積率をオーバーすると、同じ規模の建物を再建築できなくなります。
高さ制限の基準オーバー
こちらも同じく用途地域の変更があった場合に、斜線制限や日影規制などの高さの制限に対して、現行建物の高さが基準をオーバーしてしまうことがあります。
道路の幅員が4m未満
建築基準法の改正により、幅員4m以上の道路に2m以上敷地が接していないと既存不適格物件になります。
消防設備の安全基準を満たしていない
消防法の改正により消防設備などの設置基準が変更となったため、既存不適格となっていることがあります。
既存不適格は違法ではありませんが、設備の改修を行う際には新基準に合わせる必要があります。
既存不適格物件取得のメリット
既存不適格物件を所有・取得する際のメリットについて解説していきます。
- 価格が安い
- 税金が安い
- リフォーム・リノベーションができる
価格が安い
既存不適格物件の1つ目のメリットは価格が安いことです。
建物の老朽化に伴って価格が下がっていく場合があります。
税金が安い
2つ目のメリットは税金が安いことです。
既存不適格という理由から、評価額が低く、その分税金も低く設定されます。
リフォームができる
3つ目のメリットはリフォームができることです。
再建築が許可されていなくても、リフォームを行うことは可能です。
ただし、建物の種類やリフォームの内容によっては「建築確認申請」が必要なケースがあり、その場合は現行の建築基準に則ったリフォームを行う必要があります。
既存不適格物件のデメリット
メリットだけではなくデメリットもみておきましょう。
- 再建築ができない
- リフォーム時に制限が生じる場合がある
- 買い手がつきにくい
再建築ができない
1つ目のデメリットは再建築ができないということです。
現行の建物と同規模の再建築は出来ません。
現行の基準に満たした建物が建てられるケースもあれば、接道の問題だと建物の建築自体が一切行えないケースもあります。
リフォーム時に制限が生じる場合がある
2つ目のデメリットは、リフォーム・リノベーションを行う際に制限が生じる場合があるということです。
簡易的なリフォームでは「建築確認申請」を行う必要はありませんが、建物の種類やリフォームの内容によっては「建築確認申請」が必要なケースがあります。
その場合には、現行の基準に合わせた内容でリフォーム・リノベーションを行う必要が生じます。
基準に満たない場合は違法建築物とみなされます。
買い手がつきにくい
3つ目ののデメリットは買い手がつきにくいということです。
これは不適格の内容によっても異なってきます。
基本的には、既存不適格物件は買い手がローンを組みにくいという理由から、「仲介」で一般の方に向けた売却は難航してしまうケースがあります。
既存不適格物件を売るときの注意点とは?
ここでは既存不適格物件における売却の注意点について解説していきます。
- 既存不適格物件であることは隠さずに伝える
- 直接的な値引き交渉などには応じない
- 複数の不動産会社から見積もりをとる
既存不適格物件であることは隠さずに伝える
売却後のトラブルをさけるためにはマイナスとなる要素は隠さずに伝えるようにしましょう。
不動産会社からのサポートを受ける際には、不動産会社が物件調査を行いますので、それによって「既存不適格物件」であることは明らかになります。
ですが、不動産会社に気持ちよくサポートを受けてもらうためにも、分かっている事は事前に相談しておきましょう。
既存不適格物件でも問題を解消できる手段が取れれば、高値で売却できる可能性もあります。
直接的な値引き交渉などには応じない
値引き交渉をもちかけられたら、安易に応じるのは避けた方が良いでしょう。
既存不適格であることを理由に、必要以上に低い取引価格を提示してくる相手もいます。
複数の購入希望金額や条件を比較することをおすすめします。
複数の不動産会社から見積もりをとる
「仲介」で一般の方に売却するにしても、「買取」で不動産会社に買い取ってもらうにしても、査定金額を取得する際には複数の会社に依頼することをおすすめします。
査定金額を比較して、適切な相場価格を把握しましょう。
【まとめ】既存不適格物件の特徴を知ってできるだけ高く売却する
既存不適格には種類があります。既存不適格物件と違法建築との違い、メリット・デメリット、売却時の注意点などをご紹介してきました。
既存不適格物件の売却ではトラブルになりやすいので、注意点をおさえておきましょう。
今回まとめとして最後にお伝えしたいのは、「既存不適格物件の売却は取り扱い実績のある不動産会社にサポートしてもらう」ということです。
後になって後悔しないように、ぜひ満足のいく売却を実現させましょう。
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