借地人が底地を買い取る場合の「限定価格」や底地の価値について知っておくべきこと
2023.09.16
借地権・底地権
借りている土地を自由に使うため、土地の価値を上げるために、
「地主さんから底地を買い取りたい」とお考えの方も多くいらっしゃいます。
それぞれ単独では売買が難しい「借地権」と「底地」は、現実的な売買手段として、「賃借人が底地を買い取る」または「地主が借地権を買い取る」という取引方法があります。
【底地を買い取る場合の価格】や【底地買取時の注意点やメリット】について解説していきます。
この記事でわかること
- 借地人が底地を買い取る場合の底地の価格について
- 第三者に売却する場合の底地の価値について
- 底地・借地権の売却における不動産会社との関わり方
底地の資産価値はどれくらい?
底地の価値を知るには、底地・借地権とは何かを理解することが大切です。
まず、借地権とは「建物所有を目的とする地上権又は土地賃借権」のことです。
日本では土地と建物は別々の不動産として扱われます。
借りた土地に建てた建物を所有している借地人は、土地を使うことができる「借地権」も持っています。一方で地主が持っている土地の権利を「底地権」といいます。
このような土地には、【土地を使うことができる借地権】と【借地権がついている底地】の2つの権利が存在しています。
計算方法も含め、底地の価格については幅広い知識が必要なので、土地を買い取る前にポイントを整理しておきましょう。
【底地の価値を知るポイント1】底地・借地権は単独では価格が下がる
底地・借地権は当然ですが、それぞれ単独では価格は下がります。
底地のみを所有していても土地を自由に使うことができないので、第三者に売ろうと思っても買い手はつきづらいです。
借地権も、譲渡や建て替えなどの際には地主の承諾が必要だという制限や、地代・更新料も発生します。
所有権とは異なり、底地・借地権は片方だけでは価格が下がるものと理解しておきましょう。
【底地の価値を知るポイント2】借地権割合と路線価が基準となる
底地の価値を知るためのポイントとなるのが、【路線価の借地権割合】と【路線価に基づく更地の評価額】です。
土地の部分には、
①地主さんが持っている底地
②土地を使う権利である借地権
があるわけですので、更地の評価額から底地と借地権の価格を計算していきます。
路線価に基づく更地の評価額が1,000万円として、たとえば借地権割合が60%であれば、底地は40%という割合になります。
金額にすると、借地権が600万円、底地が400万円、という目安の評価額が算出されます。
【底地の価値を知るポイント3】評価額と実際に売れる金額は異なる
土地の評価額と、実際に第三者に売れる価格に違いはないのでしょうか?
底地や借地権は必ずしも評価額で売れるとは限りません。
実際には半値ほどになることが多いです。さらに下がる可能性もあるので片方だけで売る場合にはその点に注意しておきましょう。
ただし、土地の評価は複雑ですので不動産会社に査定をしてもらうことをおすすめします。
税務上の評価額はあくまでも相続税や贈与税を計算するときの評価です。そこから土地の利用状況や、不整形地や無道路地、セットバックの有無など、さまざまな要素によって評価が変わります。
【底地の価値を知るポイント4】地代による底地・借地権の価値の影響
底地と借地権は表裏一体ですので、地代の金額が底地の資産価値にも影響を及ぼします。
本来の土地に見合った地代よりも実際の地代が低い場合には、差額の賃料を加えた価格が借地権の価値と考えられる(借地権側が経済的なメリットを得ている)ので、その分、底地の価格が下がることを意味します。
地代により底地・借地権の価値への影響が生じるため、「適正な地代となっているのか」という点も重要な要素です。
【底地の価値を知るポイント5】市場が限定される限定価格
借地人が底地を購入して自己所有する場合、底地の購入をすることで、借地の契約上の制約がなくなり担保価値が向上します。第三者が取得するよりも大きなメリットが得られます。
その結果、借地人さんが底地を購入しようとする場合の底地価格は「限定価格」で計算します。通常価格より高く購入しても経済合理性があることが前提となるのが限定価格で、一体となった土地の正常価格から借地権と底地の価格を控除して、差額があればその差額を求めていきます。
買取でメリットが得られる分、第三者が一般的に購入する価格よりも高くなります。
借地人が底地を買い取る方法
底地と借地権は表裏一体で、さまざまな要因が価格に影響を及ぼします。
しかし不動産売却や購入のタイミングは、相続登記の義務化などの法令、建物の劣化、金利や需要の変化などを考慮することも大切です。
底地の価値を調べるには、さまざまな方法があります。
底地を買い取るには、まずは地主や不動産会社に相談することから始めます。
価格を把握するためには不動産会社に査定を依頼しましょう。
周囲の不動産の価格はもとより、路線価や土地や地域の特徴による傾向などからも売却可能な価格を算出してくれます。
スマセールでは、借地権や底地など売却が難しい不動産を専門にした売却サポートを行なっております。
買取査定金額の提示だけではなく、地主様・借地人様との交渉や最適な売却方法のご提案も行っております。まずはお気軽にご相談ください。
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